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どんな大人も、子どもだったとき、親に叱られて悔しい思いをしたり、兄弟げんかをして腹の虫が収まらない…という経験はあるでしょう。思春期には当たり前にあることですから、子どもが家族と少しだけ離れて、カッカと燃えた心を落ち着かせられる場所をさりげなく用意しておくのもいいですね。
家づくりのときには、一人になれる、小さな居場所をつくっておきましょう。ドアを閉めて引きこもれる個室をつくるという訳ではなく、みんなのいる場所とつながっているけれど、誰からも見えない、そんなちょっとしたスペースでいいのです。
けんかをして腹を立てた子どもは、「もういいよ!」と啖呵を切って、小さな居場所に駆け込みます。一人きりで不満を口にしたり、時には思い切り泣くこともあるでしょう。しばらくすると、子どもは自分の心と対話して、感情をそれなりに整理して、何事もなかったようにみんなのところへ帰ってくるものです。
一人になれるけれども、家族とつながっている安心感もある。そんな居場所が、自分と向き合う時間をつくり、心を少しずつ育ててくれるような気がします。