階段には、上下の階をつなぐという役割だけでなく、そこに暮らす人の感情を調整するはたらきがあるように思います。
たとえば、にぎやかな1階から、本を読むために静かな2階へ移動するとき。階段を上りながら、気持ちを自然に切り替えているようです。朝目覚めて寝室から洗面所へ向かうとき、階段を下りながら、朝の支度へと意識を向けていくのも、同じようなはたらきと言えるのではないでしょうか。ひとつの家の中に存在する、異なる空間や異なるシーン。階段はそれをゆるやかにつないでくれる存在でもあるのです。
ほかにも、階段は、空間に変化を生みだしたり、目線に変化をもたらしたりするはたらきもあり、シンプルに見えて、実は奥が深いものです。階段の上り下りが面倒だから平屋がいい、という声もありますが、2階を低めにつくり、できるだけ段数を減らすと、生活の中でぐんと使いやすくなると思います。
































