アジアの国を旅したときに、レンガを積んだ簡素な家が集まる地域を訪れたことがあります。少し背の低い家々の佇まいがとても心地よく、人々が暮らしの中でちょうどいい寸法を見出し、形にしてきたことが感じられました。人間の身体の大きさを基準とした尺度であるヒューマンスケールですが、これぞまさにという体験でした。
ヒューマンスケールを考えることは家づくりの基本ですが、教科書の数値をそのまま当てはめるのではなく、そこに暮らす人を基準に検証することが大切です。たとえば天井の高さは、一般的な日本人の身長を基準にすれば、ことさら高くする必要なないでしょう。むしろ、ある程度絞り込んだ方が囲われている感覚があり、「巣」としての快適さや安心感につながるように思います。
自分の五感を使って、建築を感じる訓練をするとよいと思います。そのうちに、広すぎない、高すぎない、自分にちょうどいい寸法が見えてきます。それがヒューマンスケールなのだと思います。自分らしいものさしをスタディして、居心地のよい家をつくりましょう。

































