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「天井の高さって、普通はどのくらいでしょうか?」と聞かれたら、「普通の高さはないですよ」と答えます。いい加減に返事をしている訳ではないのですが、何センチであればよいという答えはないのです。
たとえば、体育館の天井が低かったら、のびのびと運動できない感じがします。一方で、トイレの天井が高い方がいいという理由も思い当たりません。天井の高さは、部屋の広さであったり、用途であったり、また隣の部屋や庭とのつながりであったりと、さまざまな要素をふまえて導き出すもの。高いから良い、低いからダメというものではないのです。
明確な答えがない以上、ちょうどいい天井の高さを探り当てるためには、何がちょうどいいのかを知る必要があります。難解な問答のようですが、その基準となるのは「ここにいて心地いいか」と自分に問い続けるということです。いろいろな場所に行って、空間の居心地を感じて、天井の高さとの関係を考察してみましょう。高い、低いという思い込みを捨てて、ちょうどいい天井の高さを探してみてください。