日ようのエッセイ

ふだんを、いちばんの幸福にする
家と暮らしの大切なこと

小さい自慢。

 日々の暮らしを考えると、家はことさら大きくつくる必要はないように思います。面積は小さくても、自由に使えるスペースを確保しておけば、家族の変化に合わせた使い方ができて合理的ですし、設計するときに、窓の取り方、外とのつながり、天井の高さ、ほかの部屋とのつながりなどを工夫すれば、空間の広がりをつくりだすことは可能です。
 ジャストサイズの家は、建築コストも抑えられて、掃除やメンテナンスがしやすいという利点もあります。

 コンパクトな空間で、いかに気持ちよく、すっきりと暮らすかは、住まい手の知恵と感性の見せ所でもあります。小さいという制約を面白がりながら、収納の仕方を工夫したり、ひとつの空間を多目的に使ったり。家を住みこなしていくという醍醐味があります。

 小さい家なのに、「広々として気持ちがいいですね」と言われたらしめたもの。胸を張って、工夫自慢、小さい自慢をいたしましょう。

 

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