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いちばんの幸福に。

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日ようのエッセイ

ふだんを、いちばんの幸福にする
家と暮らしの大切なこと

月がきれいだから。

 幼稚園に行き始めたばかりの男の子が、ある夜、リビングで寝たいと言って両親を驚かせました。理由をたずねてみると「今日は月がきれいだから」と窓際に布団を敷き、夜空を眺めながら眠りについたそうです。男の子の自然の美しさに気づく感性、そして、心地よいと思うことを素直に実行できる行動力が伝わるエピソードです。

 この男の子の発想は、家はもっと自由でいいということを教えてくれています。部屋ごとに、寝室、客間、子ども部屋と、名前をつけてしまいがちですが、その用途に限定してしまうのはもったいないと思うのです。

 家の中で、景色のいいところや気持ちのいいところを探して、テーブルを移動して食事をしてもいいし、布団を運んで寝てもいい。ちょっと腰かけられるスペースがあれば、どこで本を開いてもいいのです。家という箱を隅々まで使い切って、のびやかな感性で自由に楽しみましょう。

 

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