内観

「あえて森に住む」
家づくりは、これからの人生を選ぶこと

「あえて森に住む」
家づくりは、これからの人生を選ぶこと

鹿児島中央駅から高速道路を15分。 松元ICを降りて少しのところにある小道を入り、ちょっとだけ「どこまで行くのだろう…」と思う頃、下り坂の途中で“シンケンの家”と出会えました。

“森の家”へ

森の中の家・外観
まずは玄関へ・・・木々や建物の存在感にいくつも小さな驚きを感じながら、“森の小道”のようなアプローチを進む。
 
森の中の家・玄関
敷地をかなり入ったところでようやく玄関へ 「どこからが家なのか?」 脳がちょっとびっくりする体験
 
中村さんご夫婦は、機械関係の会社を経営し、自身も重機を操って敷地を整えるご主人・真人さんと、 チャンピオン犬をトレーニングすることもある凄腕ドッグトレーナーの奥様・梢さん。 3人の子供たちが巣立ち、おふたりが暮らすご自宅だ。
森の家へ
こちらの住まい、家の中・敷地内の両方にたくさんの特徴がある。

森の中の居間

まず、玄関を入って、
森の中の絵・玄関
1フロアおりて居間へ。
スキップフロアの家
居間は四方に大きな窓があって、
森の中のリビング
“家の中に森がある”かのような、なんともすごい空間になっている。
窓一面が緑
窓を開けていることが多いから虫が入ることもあるけれど、“トンボが通り抜ける家”であることもこの家の喜びの一つだそう。 家の内と外の境界をゆるやかにされていて、「スリッパでどこでもどうぞ」というところにも、おふたりの“自然と生きる”あり方が感じられる。

山の起伏になじむ建て方

中は、フロアで言うと「1階、1.5階、2階、2.5階、屋根裏」と分かれていて、“ちょっと登ると別の空間”というように展開していて驚いた。 こういう建て方を「スキップフロア」というらしい。
自然いっぱいの土地
傾斜・起伏のある土地に家を建てるということ
この場所の地形を活かした建て方だ。 この“高さのちがい”の恩恵はいくつもあって、棟の間のファイヤープレイスと居間・キッチンがつながっているのもその一つ。
デッキのファイヤープレイス

“ドッグラン”とデッキ 理想の場所を“つくる”ご夫婦

犬たちが走り回る庭
ご夫婦の夢のひとつが、ここを犬たちがのびのびと走りまわり、飼い主さん同士もつながれる場所にすること。
ドッグトレーニングの場所に
梢さんのドッグトレーニングもここでできるように
そのご夫婦共通の夢のために、真人さんが重機を操り、敷地の低いところに駐車場、そこからアプローチ、フィールド・・・と日々整地を進められている。
元々杉林だった敷地を居場所にする
元々杉林だった敷地 理想に向けてご夫婦は進む
真人さんに「これも自分でつくりました」と案内されたのが、枕木を使ったウッドデッキ。 元々は奥まで林だったけれど、「向こうの山まで景色が抜けるようにしたくて」と木々を少し伐採。
森の中のデッキ

真人さん 景色が開けたら、光が入るようになって新芽が出てきたんです。おもしろい。

“家”という概念を軽々と超える住まいとの出会いに、ひとつひとつ驚き、ワクワクの笑いがこみ上げる。

自然と共にある開放感と 守られているような安心感

そんなワイルドな側面と共に印象深いのが、この空間の静かな安心感。
自然と調和する室内
思い切り森の中なのだけど、“家の中”の安心感はしっかりあって、その上で外の自然と調和している。
居間のすぐそこにある池
居間のすぐそこにある池。虫や植物が生きている
そして、おふたりの住まい方・佇まいもそこに調和していると感じた。
自然と近いダイニング

「家を建てるつもりはなかった」 中村さんの心を動かしたもの

以前は「おいしいコーヒーを飲むために森の中に入っていました」というおふたり。住まいと暮らしがこの形になった背景を聴いてみた。
ご夫婦

真人さん 元々アウトドア・DIYが好きで、以前の持ち家もけっこう手を入れてました。もとの家の形があるからやっぱり“理想”には至らないんだけど、 いろんな工務店・ハウスメーカーを見ても『この間取りでおさまってください』という感じで、家を建てる気にはならなかったんです。 だけど、前からシンケンの家への憧れはあって、“住まい教室”に参加して迫さんの話を聴いて、経営者としてとても共感しました。

“住まい教室”は、シンケンで家を建てたいと思った方々に向け、社長の迫英徳さんが“シンケンがつくる住まいのあり方”や、 その奥にある“哲学”を語る機会で、理想の住まいのために学ぼうと熱心な方も多いそうだ。

真人さん 迫さんの話にはビジョンがあったし、“仕事”を超えて物事の道理・真理にも通じる、自分の仕事にも役立つ話だったんです。 そんなことを、自分たちがつくった家に住むお客さんたちとも分かち合おうとしている。 この人たちとなら、“建てて終わり”ではない、長い付き合いができると思いました。

リビングからデッキとつながる
そうして、シンケンの方と住まいづくりの相談をすることに。

梢さん どんな住まい・暮らしにしたいのか。忘れてた夢も思い出しながら語り合いました。私たちの言葉の奥まで汲み取ってくれて、 小さい頃の育った環境なんかも引き出してもらう中で、やっぱり自然が好きなんだってつながって。 そんな中で、シンケンの“家”の概念は他と全然違うんだなって思いました。 シンケンの家なら理想を実現できそうだと思いましたし、住まいづくりを通して私たちの夢を後押ししてくれるんだと思って、建てることを決めました。

理想の暮らしの土台になるのは、そこがどんな土地か、ということ。 ご夫婦が“土地への要望”として挙げたのがこちら。 ・100坪くらいの土地 ・自然と地形を活かした、スキップフロアの家 ・高速道路に近い立地 ・敷地に水があること シンケンの営業の方に「・・・ここは、なんだろう?」という変わった土地を探してもらい、いくつものおもしろい土地と出会った上で、この場所に決めた。“水があること”以外は希望通りで、敷地は何倍も広くなった。 土地が決まれば、そこからプランニングの打合せが始まる。

真人さん シンケンのやり方を押し付けられるんじゃなくて、“感性を一緒に磨いていく”感じで、一緒にいい仕事をしてる感覚で楽しくて。 打合せも、金曜の夜8時からうちに来てもらって、たき火して、さんま焼いて、晩ごはん食べて(笑) 深夜2時まで笑いながらずっと話してましたね。ふざけながらも、ちゃんと形になっていく。そんなふうにして価値観を共有した人たちと一緒につくる家。ここしかないと思いました。

デッキでたき火とBBQ
夕日が沈んで、やっぱり今日もたき火とBBQ! 人とのつながりを大切にするおふたりの人柄に触れる (ちなみにご主人はお酒が飲めないそうです。意外!)
 
そうして出来上がったのは、想像もしなかった理想以上のプラン。 ここから、ご夫婦の夢に向けた開拓・整地が進む今につながったのだった。
 

真人さん 下の敷地はまだまだつくり途中。人も、犬も集えるように、駐車場をつくっているところ。 ここを、家を媒体に、いろんな人がつながる場所にしたいと思っています。

理想の場所へ創造は続く
おふたりの理想への創造は続く
 
取材日:2019/5/24
 

取材を終えて

住まいは、“その土地の地形”と
“住む人の夢”から、現れる

 

中村さんご夫婦のお話と住まいぶりから、おふたりの夢がこの住まいを生み出し、住まいはまた、おふたりの創造力を引き出し、活力を湧かせているように感じた。

 

そして大前提として、“この土地だから、この住まいの形になった”ということ。それは、これまでの家でもそうだった。地形、まわりの環境、それが将来どう変わりうるかを考えた設計。
それをシンケンでは、「敷地を読み、敷地になじむ家をつくる」という言葉で表現しているそうだ。

 

「そもそも、林で起伏のあるこの場所に家を建てようとしたとき、相手にしてくれる会社はなかなかないと思います」
と聞いて、なるほど、それはそうかと思った。“敷地を読む”力を磨いているシンケンだから、この場所の未来を思い描くことができたんだな。

環境に馴染む家

・場所:鹿児島市石谷町
・敷地:1,220㎡(369坪) 1階:87㎡(26坪)2階:68㎡(21坪)
・完成:2017年12月

”私”が知った
シンケンの住まいづくりメモ

プラン打ち合わせで、しっかりと語り合う

住まい手の感性が生きた家づくりをするために、“雑談”のような時間もたくさんとって、「なにを大切にされているのか」を感じていく。
“要望のその先”を引き出し、想像し、その奥にあるものに対して提案をしていく。

土地探しは営業の方が担当する

「お客様の願いに適った土地を探すこと」は営業の方の仕事で、土地の地形やまわりの環境を観る。
また、一年で最も日が長い夏至と、最も日が短い冬至のそれぞれで、まわりの山や建物によって「何時から陽の光が入り、何時には日が落ちるのか」を計算している。
それは“夏の涼しさ”・“冬の暖かさ”を設計する上で重要な要素になる。

こちらのお住まいの

実例集
writer

取材している"私"について

はじめまして。鹿児島県 霧島市の海の目の前、友人たちと改修した古民家に、妻と5歳の息子と暮らしています。フリーランスになって約10年、ライターなどいくつかのお仕事をさせてもらっています。

何度かアメリカのカリフォルニアを訪ね、自然との共生や進んだ文化に惹かれています。食材はできるだけ無添加・無農薬を選ぶ傾向があり、目の前の海に癒やされながら仕事に没頭しています。

知人の紹介で「シンケンの住まいづくりを言葉で表してほしい」という依頼をいただいたのがシンケンとの出会いです。家についてほとんど知らない自分でいいのだろうか? と思いながら、広報の森畑さんにいざなわれ、シンケンの家と、住まい手さんの夢に出会っていくことになりました。

このページを見てくださっているみなさまと一緒に、シンケンの住まいづくりを知っていきたいと思います。