2017年2月12日曇り
暮らしの見学会にて
鹿児島県姶良市、住宅地の中に建つこの家は6m×6mにすっぽり収まる小さな2階建て住宅と、4m×11mの平屋のアトリエからなるお住まい。
「この家に暮らすようになってから、気に入った道具なら、見せて収納する方がいいのではないかと思うようになりました」…もともと隠す収納が好きだったというご夫婦ですが、家の中にはシンケンの家の壁を活用した見せる収納や暮らしに即した創作が随所に生きていました。
住まい手さんにお伺いしました。
― この家に暮らすようになって変わったことは?
ご主人:日ごろ椅子に座って家の中や外を眺めていると、『この壁はこう使えそうだなぁ。』とか、『庭のこの辺に木を植えると良さそう』とか、そういうことが浮かんでくるんです。
シンケンの家は「木」の家ですが、「夫婦して『さび』の感じが好き」ということを現場監督さんにお話したら、工事中に階段やキッチンに「鉄」を使う提案をいただきました。だから家の中には「木」と「鉄」があって、完成時からかっちりしすぎない少しラフな雰囲気がありました。
そのおかげで、北欧風とか〇〇風というのに縛られずに、自由に手を加えられる気がします。もともと北欧テイストが好きだったんですが、今では完全に〝自分流〟になっていますね。
ご主人:新築の家に釘やねじを打つことに抵抗がある人も多いと思うんですが、私は初めからどんどん手を入れました。多少穴があいたりへこんだりしても気にせず、ジーンズみたいにどんどん使い込んでいきたいなと思っているんです。この壁だから、自由に何でもできるんですよ。今ではこのPLAYWALL(注)がない生活は考えられないですね(笑)。
― 家のアレンジはご主人がされているんですか?
ご主人:作業は私(ご主人)がほとんどです。アイデアは妻が出してくれたりしますが、私が考える場合でも必ず妻のチェックを受けます(笑)。そうすると『それはちょっとやり過ぎなんじゃない?』とか意見をもらって修正しながらつくります。暇さえあれば夫婦でそういう話をしていて、共同作業で出来上がっていきますね。もともとアトリエは趣味の陶芸のためにつくったんですが、今では木工が楽しくて陶芸用につくったアトリエも木工で使うことが多くなってしまいました(笑)。
―ふだんの生活の中でいちばん家を建てて良かったなぁと思う瞬間は?
ご主人:そうですねいろいろありますけど、一つだけに絞るなら、仕事から帰って玄関を開けた瞬間です。シンケンの家の〝におい〟っていうのがあるんですよ。ふわっとそのにおいがして、今の季節なら、玄関を開けた瞬間あったかくて…。
それから、玄関の少しすぼまった空間から3歩、歩いて室内に入ると大きな窓で開放的な空間が拡がっている…。そんな毎日の瞬間ですね。
(注)PLAYWALLとは…
一般的な住宅は、柱や梁などの骨組みを石こうボードと壁紙で包み隠してしまいます。
シンケンは、木の素材をそのまま見せられるようにしました。
木造の骨組みは「木」でできています。
シンケンでは、その骨組みを見せた壁をPLAYWALLと呼んでいます。
この壁は様々なパーツを組み合わせることで自由に、実用的な収納やインテリアとして使うことができます。
※実用新案登録済
※PLAYWALL用オリジナルの棚等取付部材は特許取得済