
- 暮らし
築28年と築3年、親子2棟の家
「わが家の春一番」
- 暮らし
- 2025/3/16(日)
- 10:00
- 鹿児島市吉野町
暮らしの見学会とは?
◻︎ わが家の春一番
厳しい寒さに窓を閉め、室内でゆっくりと過ごしていた冬が過ぎようとしています。
毎年2月末から3月の中頃、和室の窓を覗くと、黒い塀の上に白い梅の花が咲きこぼれます。青空の下、白梅と黒の対比はなかなかのものです。お隣の方の敷地に植えられているこの白梅は、庭の草木の中で一番に私たちに春の訪れを告げ、目を楽しませてくれます。
二番手はアプローチの先に植えてある河津桜🌸薄桃色をした桜の花が、見学会の頃に満開を迎えてくれると嬉しいです。
来客用の駐車スペースに植えた山桜や、車庫の前にたたずむソメイヨシノは、きっとまだ固い蕾のままでしょう。枝の様子や蕾を観察するのも、春の暮らしの愉しみの一つになっています。
麗らかな陽気に誘われて、窓を開けて過ごす春。四季折々の喜びがある、自然と共にある暮らしをどうぞ体感しにいらしてください。
◻︎ 心掻き立てるスタディハウス
4人の男の子が巣立って、かつての喧騒が消えて久しい。何かと持て余し気味の我が家を「もう一度心を掻き立てるような暮らしに戻したい」との想いが頭をもたげ、仕事柄持ち合わせた好奇心も手伝って、庭先にコンパクトな「終の棲家」を、と思い立ったのが2016年。
どうせなら「シンケンスタイルとは何かを〝議論する場にする 〟」ことを申し合わせて、計画はプランナー志望の社員(自由参加)の設計コンペからスタートした。
2棟の建築には 次の世代を担うスタッフへのメッセージとして随所にシンケンイズムが盛り込まれ、皆でそれを「研究」「分析」「吟味」「考察」する、じっくりと「観察する家」として「 STUDY HOUSE 」と命名した。
住まい創りを単に、意匠 デザイン 素材と構造 使い勝手や温熱環境ごと と考えるに留めず、人間の「人情の機微」を知り、これを深める場として活用してもらいたい。
住まいの究極の目的は「住まい手の心を掻き立て 悦びで満たすこと」
その設えを持って「シンケンスタイル」と 我々は呼ぶことにしよう。
◻︎ はじめに引いた線
同じ敷地に建つ2軒の住まいの間に明確な境界は無い
…が、心理的には互いに超えたくない線がある。
2つの世帯をどう繋げるか?
その塩梅を推し測り、
一本の線を引くことから この計画が始まった。この線は、これから長い暮らしの要の役割を担うだろう。