暮らしの見学会とは?
◻︎ ケヤキがくれる、夏の涼
じりじりと肌を焼くような、鹿児島の夏の暑さがやってきました。
車で出かける際には、少しでも木陰のある駐車場を探します。運よく葉っぱの茂る木の下へ停められると、同じ駐車時間でも車内の暑さは段違い。木陰は、日射しを遮るだけでなく、葉の表面が水分を放出する際に空気を冷却する効果があるからだそうです。
わが家の庭には、築28年の家と一緒に育ってきたケヤキの木があります。
春に新芽を出したケヤキは、真夏になると大きな木陰を作ります。木陰の下では、プール遊びや体力づくりの縄跳び、ときには鬼ごっこが始まり、汗だくになったあとはレジャーシートを広げてピクニック気分を楽しんでいたり…子供たちの涼しい夏の遊び場になってくれています。
年々暑さが厳しくなってきていますが、酷暑の夏こそ木陰の効能を感じられる季節です。ぜひ遊びにいらしてください。
◻︎ 心掻き立てるスタディハウス
4人の男の子が巣立って、かつての喧騒が消えて久しい。何かと持て余し気味の我が家を「もう一度心を掻き立てるような暮らしに戻したい」との想いが頭をもたげ、仕事柄持ち合わせた好奇心も手伝って、庭先にコンパクトな「終の棲家」を、と思い立ったのが2016年。
どうせなら「シンケンスタイルとは何かを〝議論する場にする 〟」ことを申し合わせて、計画はプランナー志望の社員(自由参加)の設計コンペからスタートした。
2棟の建築には 次の世代を担うスタッフへのメッセージとして随所にシンケンイズムが盛り込まれ、皆でそれを「研究」「分析」「吟味」「考察」する、じっくりと「観察する家」として「 STUDY HOUSE 」と命名した。
住まい創りを単に、意匠 デザイン 素材と構造 使い勝手や温熱環境ごと と考えるに留めず、人間の「人情の機微」を知り、これを深める場として活用してもらいたい。
住まいの究極の目的は「住まい手の心を掻き立て 悦びで満たすこと」
その設えを持って「シンケンスタイル」と 我々は呼ぶことにしよう。
◻︎ はじめに引いた線
同じ敷地に建つ2軒の住まいの間に明確な境界は無い
…が、心理的には互いに超えたくない線がある。
2つの世帯をどう繋げるか?
その塩梅を推し測り、
一本の線を引くことから この計画が始まった。この線は、これから長い暮らしの要の役割を担うだろう。