花咲く庭のアプローチ

実家の敷地に、庭と畑と家。
3世代が心地よくつながる暮らし。

実家の敷地に、庭と畑と家。
3世代が心地よくつながる暮らし。

住宅街の奥にひっそりと佇む、花があふれる庭と畑、そして木の家。
3世代がゆるやかにつながりながら、四季に寄り添う暮らしを楽しむ家族を訪ねました。

薔薇のアーチの向こうに

晴れた5月のある日。
細い路地が入り組む住宅街。教えられた住所を頼りに「ここ、かな…?」と少し緊張しながら角を曲がると、パッと目に飛び込んできたのは、敷地の奥の鮮やかな色彩。深紅の薔薇が彩るアーチが迎えてくれていました。

薔薇のアーチを抜けて

Instagramで綴られる、四季の花と家族の穏やかな暮らし。フォロワーの一人として写真を眺めながら憧れ続けていた風景が、ここに実在することに感動を覚えながらアプローチへ。

実家の敷地内に建てたという住まいは、少し奥まった立地を生かすように、ひとつの世界をつくっていました。

春の庭でひとやすみ

シンケンで建てて9年目のご自宅。ここには、沖田さん夫妻と二人のお子さん、そしてコーギー犬のティナちゃんが暮らしています。

窓がつなぐもの

美しい庭をゆっくり堪能した後、家の中へ。
玄関のすぐ横にキッチンがあり、その奥にリビングがつながっています。キッチンの広い窓は、庭が目の前に広がり、実家の灯りが見える位置に設けられています。

キッチンの窓辺に庭の薔薇

まゆこ さん
私の一番好きな場所です。
庭の手入れをする夫や外で遊ぶ子どもたちが見えるし、実家の灯りで両親の生活の気配が感じられてほっとします。

窓をあけると、とても気持ちがいいですし、夫から花を受け取ったり、父から野菜をもらったり。
仕事から帰ってくると、椅子に座る前にまずこの窓辺に立ってひと息つくのが、私の習慣です。

「最初はアイランドキッチンに憧れていたのですが、『この家は庭に面したキッチンがいいと思いますよ』と提案されて。すごくよかったと思っています」とまゆこ さん。

「こちらへどうぞ」とリビングの窓から庭が見える特等席に案内していただきました。

緑に包まれたダイニング
リビングの窓は横に広く、部屋の中からガレージと花咲く庭が見渡せるつくりに。

スイカが好きというまゆこさんが、八百屋さんにわざわざ頼んでくださったという徳光スイカの初物、そして 手作りのケーキと美味しい冷茶、次にコーヒー。美味しいものと心地よい空間に会話も弾みます。

ひろき さん
椅子に腰かけたときにガレージや庭の花が、一番よく見えるように考えてあるんです。
その土地、その家に合わせて最適な窓の取り方を考えてくれるのも、シンケンならではですよね。

土地の物語を生かす

沖田さん夫妻の気さくな人柄にすぐに緊張もほぐれて、にぎやかに家談議・庭談議が始まりました。

シンケンの家づくりに共感し、30歳と31歳という若さで新築を決意したお二人。
実は、最初に家づくりを考え始めたとき、実家以外の土地に、他の会社でプランまで話を進めたことがあったそうです。

キッチンから見える庭

まゆこ さん
具体的な計画まで進んだのですが、ふと立ち止まることがあって。
自分達らしい暮らしについてあらためて考える中で、シンケンさんの家づくりに出会ったんです。

ひろき さん
見学会に出かけて、シンケンの家やガレージを見ると、繊細な美しさといい意味での無骨さが共存していて、時を経てキズなども味になっていくのがいいなあと。
また、庭や周囲の風景と一体になっている開放感のあるつくりにも魅力を感じました。

  • 庭の向こうに見える愛車・バイクガレージ
    ダイニングから庭を介して見えるバイクガレージ
  • バイクガレージ
    愛車を眺め、家族の風景に心が和む。外での特別な時間。

お二人ともシンケンの家に魅かれつつも、年齢の若さもあり、費用面で「(シンケンは高いから)きっと無理だよね…」と思い込んでいたと言います。

まゆこ さん
見学会に通う中で、里山に小さな家を建てているシンケンの社員さんのお宅を見て。
(コストを抑えても)こんなに素敵な家ができると知って、現実味を帯びてきたんです。

シンケンと家づくりについて話をする中で、共働きの忙しい毎日や子育て、そして費用の面でも実家の敷地内に計画することは様々な良い点があることに気づいたお二人。

長い先のことも考えて、まゆこさんのおじいさんが残してくれた土地を大切に使って家づくりをすることに軌道修正しました。

紫陽花が彩る木の家の外観

シンケンとのプランの打ち合わせは、まゆこさんの実家で。
沖田さん夫妻の家づくりの夢や暮らしのこだわり、そして、実家のご両親にもじっくりと話を聞き、家族のこと、土地のことを知ることから始まりました。

そしてシンケンが提案したのは、おじいさんが残してくれたビワの木やミカンの木を生かした、庭とつながる大らかな住まい。
隣接する実家と普段はそれぞれの暮らしのペースを守りながら、コミュニケーションもとれる、ちょうどよい距離感を考えたプランでした。

  • ダイニング横のウッドデッキ
    おじいさんの代からある果樹をできるだけ残したプランに。
  • 陽だまりのダイニング
    世代を超えて、四季の楽しみを届けてくれる。

さらに、シンケンのプランナーは、沖田さん親子の和やかな会話を見ていて「出がけや帰宅時に、互いに声をかけ合えるような距離感がちょうどよいのでは…」と提案。
「家族の関係性まで考えてプランがつくられていることに、とても驚きました」とまゆこさんは振り返ります。

実家との間にある畑
実家との間にある、お父さんの畑で。
畑と庭の間に塀を立てる案もあったが、あえて樹木を使ったゆるやかな仕切りに。


学校帰りの子どもたちが隣家のご両親に「ただいま」と声をかける、そんな日々のふれあいをイメージして敷地への入口は共有に。そうしたことで、日々行き来する中で自然にコミュニケーションが生まれています。

庭の畑でお父さんと

情愛が育つ、みんなが心地よく暮らせるシンケンの家づくり。
暮らし始めて、そのちょうどよいつながりの心地よさを実感しているそうです。

  • 庭でお花見
    3世代と親族が、桜の木の下に集う春の楽しみ。
  • 春の行事お団子づくり
    この日は親子で、お団子づくりを。

ひろき さん
(実家の隣に家をつくったことで)奥さんが安心して暮らしてくれているのがいいですね。夫婦ともに働いているので忙しい日々ですが、子ども達も毎日実家に遊びに行けて、喜んでいます。ここにしてよかったと思っています。

家を育てる、家に育てられる

この家に暮らし始めて、四季折々の花が楽しめる庭づくり、そして、机や棚、ベッドまで手づくりしてしまうほどDIYに目覚めたというひろきさん。
まゆこさんももともと好きだった料理を、大好きなキッチンで気持ちよくつくることができて、日々の暮らしが豊かになったと言います。

好きなキッチンで、ていねいな暮らし

ひろき さん
休日はいつも庭に出ています。季節ごとの日当たりを観察して場所に合った花を選んだり、ローメンテナンスで済む庭を目指して試行錯誤、宿根草をたくさん植えてみたりしています。

木の窓を額縁に、庭を絵に見立てて…。次はどんな花にしようと奥さんとよく話しますね。庭はこれからもまだまだ変化していくと思います。

窓辺で過ごす時間

まゆこ さん
気に入った家に暮らすと、日々の家事も気分よくできるようになりました。
気持ちよく暮らしたいから、大切に扱おうとか、掃除をがんばろうとか、“プチ丁寧な暮らし”ができるようになったかなと思います。

9年前、若い私たちには思い切った決断でしたが、日々の暮らしを楽しみ尽くせるようになって、シンケンの家にして良かったと思います。

家族が自然と集まるキッチン

まゆこさんは、キッチンで子ども達といっしょに料理やお菓子作りなどをしながら、食べることの楽しさ、大切さを自然体で伝えています。
最近は、子ども達が自分で食器を片付けてくれて、成長を感じるそう。

机の上はすっきり片付き、ベッドメイキングされた子ども部屋。
いつの間にか、自分の部屋を整えてから学校へ行くようになったそう。ご夫婦の暮らしを大切にする想いが、子ども達にも自然に伝わっていっているのかも。
ちなみに、机とベッドはひろきさん作。お見事!

「9年前にこの家に住み始めたとき、テーブルすらなかったんですよ」と笑うまゆこさん。
まっさらな状態からスタートした沖田さん家族と家の物語。
自然を感じながら、家族の情愛を育みながら、家族一人ひとりが成長し、ティナちゃんという家族も増え、四季の花々が咲く美しい家に育ちました。

家族と家がいっしょに、豊かな時を重ねていく喜び。
美しい四季の庭のある家は、そのことをそっと教えてくれました。



本記事は、折々にひろきさんが撮りためてこられた、彩り豊かな暮らしの写真と共に紹介させていただきました。ひろきさん、ありがとうございます。

instagram
@farm_yard_kitchen_2014 にて
あちこちに小さな美が息づいた四季の庭と暮らしが、綴られています。
どうぞお楽しみください。

取材を終えて

家族で育てる “のびしろのある家”

 

いい家という器ができると、その人らしさがのびのびと発揮されるようになり、日々の暮らしがより豊かに、より深くなっていく…。

自分達で考えながら、手を動かしながら家と暮らしを育てていく中で、家族それぞれも様々なことを学び、一人ひとりの心も、生活の技術もいつのまにか育っていく…。

シンケンの家をして「のびしろのある家」と表現したひろきさん。

 

“自分達の手でいろいろなことができる家”、“手をかければかけるほど味わいが増す家”という意味だと思いますが、もうひとつ、家族ものびやかに成長していく家でもあると感じました。

 

私がいつか家をつくるなら、時を重ねるごとに、家も家族も深まっていく「のびしろのある家」を選びたい。しみじみとそう感じました。

・場所:鹿児島県鹿児島市
・敷地:500㎡(151坪) 1階:81㎡(25坪)2階:48㎡(15坪)/ ガレージ 30㎡(9坪)
・完成:2014年10月完成

”私”が知った
シンケンの住まいづくりメモ

家族の心地よいつながりをつくる家

”情愛を育む家“を大切にするシンケンの家づくりでは、ふだんの暮らしの中で家族に自然なコミュニケーションが生まれるように、プランを考える。

家族が集まりやすいキッチンをつくったり、動線に工夫をして親子に会話が生まれるつくりにしたり。 2世帯や実家に隣接する場合も、ちょうどよい距離感になるように心を配る。
コミュニケーションを考えることは、心地よい住まいづくりに大切な要素だ。

writer

取材している"私"について

子どものころは本を読み、野山で遊んで育ちました。文章を書くことが好きで、フリーペーパーの記者になり、今はフリーランスのライターをしています。

取材で出会った素敵な人や住まいの魅力を、そっとうつしとって、読む人に届けられたらいいなと思っています。

私の家と暮らしについての学びは始まったばかり。理想の暮らしを探す旅を、これから楽しみたいと思います。